公認内部監査人試験のブログ記事です。
下記の記事で独学の場合に使うであろう教材、独学でも行ける方はどんな方なのか?というのを考えてみました。
独学の場合のテキスト・問題集(使用教材)/独学おすすめパターン!
今回は、一般的に試験を難しいと思わせる要因と、それに関係して独学のデメリットについて考えてみたいと思います。
公認内部監査人試験の難易度が高くなる要因
問題文の日本語を正確に理解する必要がある試験
約2時間、試験内容が難しいなと思いつつ刻々と時間が過ぎていく時の要因は、勉強不足で回答がわからないことではありません。
十分勉強したにもかかわらず、試験の問題文が何を言っているかよくわからない(理解しにくい)面が大きな要因です。
また、(秘密保持の関係から概要までしか書きませんが)回答は選択肢ですから、記述式と異なり簡単に見えます。ただ、アメリカ的というか国際試験というか、穴埋め問題や〇か×がはっきりするような問題はほぼありません。
例えばですが、回答の選択肢に4つあったら4つとも正しかったりします。
どういうことかというと、4つとも学んだことのある内容で正しく見える、ただし、問題文のシチュエーションに対して正しかったり、正しくなかったりします。ここは、回答の選択肢ではなく、問題文自体をよく理解していないと正解を得ることができません。
また、4択は4択でも、下記のような事例も実際に想定されます。
- aが正しい
- acが正しい
- bdが正しい
- すべて正しい
これは選択式と言えども、abcdすべての答えの取捨選択ができていないと1234から正解の選択肢を選ぶことが難しいです。
日本的な試験のように過去問は出ない!
日本の試験ですと、過去問もしくはほぼ過去問に等しい問題が出たりしますよね。
過去問を十分解いていれば、点数の土台ができあがる面があります。
しかし、まず、このCIA試験、秘密保持で、過去問というものが手に入らないという大前提があります。
そして、基本的に過去問は出ません!
正確には語弊があるかも知れません。
残念ながら落とした(不合格)科目がある。
何度か受験している。
予備校(資格学校)やGLEIM(グレイム)の問題集を繰り返している。
と行ったった場合、似たような問題に出会うこと自体はあると思います。
ただし、おそらくとはしますが、95%はその場で初めて見る=初見の問題です。
初見の問題に対しては、いくら資格学校の問題集や、グレイムや内部監査協会出版の模擬問題集を繰り返すことで、問題を暗記しても意味はありません。
問題文の趣旨を理解して、内部監査人としての原則=基本ルールに則して回答する、IPPFやミッションに対して暗記ではなく(暗記だけではなく)、意味を理解していることが重要です。
試験制度が変わっても、最新の情報を入手しづらい
一応、言語も宗教もポリシーも異なる国々で実施される国際的な試験であり、ドラスティック(劇的)に試験内容を変えることはなく、全世界標準的な基本ルールについて取り上げるだろうと通常は思います。
確かに、世界各国で見解が異なるものは取り上げにくいというのは、そうなると思うのですが、大元の国際ルール(国際基準)が数年に一度改訂されたりします。
試験制度も同様で、昔は4科目試験でしたが、2014年以降は3科目に変わり、また公認内部監査人試験になるには、3科目の試験に合格する以外の道がなくなりました。
国際フレームワークである「IPPF(専門職的実施の国際フレームワーク)」は改訂され続けます。IPPFが変わると、すぐではないですが徐々にCIA試験の内容も最新の内容に基づいていくことになります。
独学での対応が難しい点!?
標準的な解釈力が身につきにくい
もちろん全員がそうでははない、という前提はあります。
GLEIM(グレイム)や模擬問題集を暗記するほど繰り返すことは勉強方法として大切だとは思いますが、過去問が出ないので、問題集の暗記ではなく、なぜその回答に至るのか自分で解説できるような理解力が必要となります。
英語の問題集を翻訳した解説の日本語もわかりにくいので、問題集のみだとその解釈に時間がかかります。一方で、IPPFなどをテキストにしても自力で読んで理解するには読みにくいです。
ちなみに、「不正解は不正解の理由」、「正解は正解の理由」を答えられるということができれば、不合格を避けストレート合格(一発合格)できる可能性が大いに高まります。満点を取る必要はなく数問落としても問題はありません。この考え方ができれば、数問落とすことはあっても確実に合格点を超える状態に近づけます。
問題集の繰り返しのみでは、初見の問題に対応しにくい
繰り返しになりますが、問題集の解説であるにもかかわらず、わかりにくいという点があります。
その結果、繰り返してもよくわからないまま正解の選択肢を記憶してしまう、解説の意味ではなく、解説文を暗記してしまうことにつながり、初見の問題への応用力が身に付きにくくなることです。
内部監査人としての基本精神の部分が暗記や思い込みになってしまうと、この試験は落ちやすいです。
試験の動向を自分で追う必要がある
私たちの代わりに絶えず勉強している予備校講師の標準解説を聞いた方が、日本人である私たちには理解がしやすいと思います。
資格学校は合格実績が増えれば、より受講者を呼び込めるわけですから(利益になる)、自動的に試験を研究して、合格者を増やそうという動きをします。
試験制度が変わったことで、合格者が半減するような予備校に行こうとは通常思いません。試験制度がいかように変わろうと、制度に追随し、引き続き多くの合格者を輩出する予備校にみなさん興味を持ちます。
独学で自分で追随するという学習以外の手間が増えるのと、代理として予備校が最新情報を得て研究して還元してもらうことでは違いが出てきます。
この試験、合否の明暗は数問の差!
この試験、高額受験料が必要になりますから、まったく勉強していない人がイチかバチかで受ける試験ではありません。
それなりの経験がある方が、それなりに勉強して受ける試験です。
合否の明暗が出るのは数問の差です。十分勉強して受けるので、手も足も出ないという受験者は考えづらいと思っています。
この合格・不合格を分ける数問の差については、
- 微妙な理解度の差
- 問題文解釈の差
- 最新情報を反映しているかどうか
がかかわってくると思っています。