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新型コロナウイルスの影響下における内部監査人の転職市場を考える

内部監査人の転職に関する記事です。

あくまで個人の感想になりますので、あらかじめご了承ください。

基本、企業に勤めるという内部監査人の宿命

内部監査人の宿命ですが、内部監査を置く上場企業やそれに類する金融機関や各種機関等に勤務先が限られます。

コロナ禍の状況で、生活や様々なビジネスが大きな影響を受けています。

基本的に目にするのは、航空会社や電鉄会社などの交通系、飲食やサービス業、アパレル業などの業績悪化ではないでしょうか。メーカー系に関しても、製品により業績悪化の話も出ています。

一方で、GAFAを中心としたIT系、インターネットビジネス系は巣ごもり消費などの影響から好調が聞かれます。

内部監査人の人数は、基本的には従業員数や、店舗数、工場、営業所等の拠点が多い程、多く必要になります。

業績悪化の影響を受けている企業は多くの従業員がいます。一方でインターネットビジネス系は、基本的に拠点や人数を多く必要としないビジネスです。

転職市場がなくなったわけではないが

前述の通り、コロナ禍とは言っても業績がよい企業も悪い企業もあります。

ただ、内部監査人を多く必要とする業種のニーズは小さくなっていると思われます。

それでも、メーカー系などは外部から採用するというより内部異動がまだ多く、中途採用をあまり募集していないかと思います。業界が比較的若いIT系は外部の経験者を手っ取り早く採用するという考えもあります。

コロナ禍の影響を受けたのは元々中途採用が少ない企業で、影響を受けない企業は一定の求人が継続している・・・転職マーケットは大きくは変わっていないという見方もできます。

また、転職エージェントから見れば、これまで内部監査の位置づけの変化から市場が拡大傾向にあったため、元に戻った的に減っていないという説明もあるかもしれません。

変わらず採用意欲があるのは、コロナ禍でも好業績の企業、一つのパターンとしてはIT系企業になると思われます。

IPOしたいという企業は、今期の業績をベースとする来年は減少する可能性があります。

一方で、上期のIPO延期はそれなりにあったと思いますが、年末や今期中でのIPOは減らないのかもしれません。

しかし、内部監査は2期の運用が必要でIPO直前に外部採用する職種ではないはずなので、IPOにおける転職マーケットとしては、既に採用意欲減少の影響は受けていると思われます

とりあえずお金もないので、IPO時は兼務で内部監査部分をクリアした。内部統制対応やさらなる発展に向けた内部管理体制整備のため、IPOで資金を得て、少し経った後の企業には内部監査人のニーズがあると思われます

内部管理体制をしっかり構築したいの方向なので、しっかりした会社で経験豊富な方であれば、年齢が高くても採用される可能性があります。

現実的に年齢の問題はあるかもしれない

マーケット全体ではなく、個社別では、これから上場したい企業、ガバナンスを強化したい企業では内部監査人を外部採用する意欲はあります。

一般的に言うと、比較的若い会社ですね。従業員の年齢層が若いとも言えます

そういう企業で、社会人経験が長く重しとなるような内部監査経験者を採用する場合は、もちろんあります。内部監査の場合は、年配の方の方がある意味スムーズにすすむことにつながることも多いからです。

ただ、他の職種とも変わらないものの、基本的には若い人が優位です。他の職種と違うのは40代始め位でも十分若いと言える違いがあります。

30代の社長や管理部門長が、40代と50代の内部監査人を比較したら、おそらく若い人をとるでしょう。(IT企業の場合は、長期勤続してほしいので若い人という理由は少ないと思われます。)

30代~40代始め位はコロナ禍でもまだ市場がありますが、高年齢層になるとこれまでより厳しくなっているかもしれません。ただ、前述の通り50代を採用する企業もあるはずです。

動くなら、開始自体は早めの方がいい

営業などとは違うので、継続的に内部監査人を毎年採用する企業はほぼありません。

退職者の充足や、ガバナンス強化のためなどで採用するとして、拡大基調の大手IT企業などでなければ、必要なタイミングで1企業1人の枠になるでしょう。

他の職種ですと、よい人がいればと募集は継続していることもあります。内部監査の場合はよい人がいても枠を満たしていれば余分に雇うことはできず、採用出来たら採用活動即終了です。

枠が少なく必要な期間しか求人が出ないのですから、アンテナは常に貼っておかねばなりません

枠は減少していて求職者は増えるなら、採用倍率が高くなり、転職するのが難しくなります。(40代始め位までは「一定」かもしれません)

業績悪化などの影響で、内部監査人の人数が多いメーカー系の企業から転職活動に動く人が増えたら、あっという間に倍率は跳ね上がるでしょう。

ただ、求人ウオッチおよび現在の状況でも募集している企業に勤めている経験から、まだ大手企業や内部監査経験が相応にある方の転職活動は少ない気がします。早く動けば、後から動く人より有利だと思います